スペイン紀行
情熱の国スペインに行ってきました。
7月26日~8月2日までの8日間でした。
成田からフィンランド航空の飛行機に乗りヘルシンキで乗り換えてスペインまで約13時間。途中時計を2回ほど直してマドリッドの空港へ夜の8時半ごろ到着しました。ちょうど日が暮れかけた頃でした。
飛行機で上空から見たフインランドの景色は緑が多く小さな湖が無数に点在していました。ところがスペインは空から見ても赤土の台地が広がる乾いた土地と言う印象でした。後ほどその地形の美しさに感動するのですが。
スペインの初日はマドリッド散策です。植物園のようなアトーチャ駅に荷物を預けて街を歩くとソフィア王妃芸術センターに出ました。ここは現代アートの殿堂です。ピカソのゲルニカを観ようと入り口を探しましたが見つかりません。1個所空いていたので入ってみると警備員室で「今日はお休みですよ」と言われました。周りを歩いて行くと外にガラス張りのエレベーターが2機ついた巨大な正面玄関が現れました。・・・
(二日後、バルセロナに行く前にもう一度ここに寄りゲルニカの本物を観ましたがその大きさと白黒の美しさ、その反戦を訴えかけるピカソの思いを感じることができました。)
気を取り直して地図を見ながらプラド美術館へ。ここは凄かった!素晴らしかった!勉強になりました。
去年行ったルーブルよりも私の好きな作品が多く、時間をかけて、のんびりと鑑賞してきました。エルグレコからもベラスケスからも圧倒する作品のパワーを頂いてきました。中でもゴヤの部屋が1番良かったです。ゴヤという作家に大いに興味をもちました。その日はターナーの特別展も開催されていましたので昼食後も、ゆっくり絵の勉強と鑑賞。ツアーではないので集合時間を気にしないで居られるのが何よりです。
夕方新幹線AVEに乗ってトレドまで。マドリッドから30分で6時に着きました。
宿は市の中心近くのエルグレコの家の隣のホテルエルグレコ。2日間宿泊し城塞の街をゆっくりと歩くことができました。
トレドはタホ川に囲まれた地形の良さにより古代ローマ時代からの要塞都市でした。イスラム、キリスト、ユダヤ教の文化が混在することでも有名です。私が魅かれたのは川沿いの景色と橋の美しさです。川と橋は私の好きな絵のモチーフですから足にまめができるほど歩き回って来ました。
カテドラルやアルカサルの中も私の想像を超えた美しさでした。ここは軍事要塞としての博物館でもあり中世のスペインの騎士たちの武具の歴史も知ることができました。この時代は戦争が多く、侵略も数多く、私の好きなアンデスの「コンドルは飛んでゆく」の歌に歌われたマヤ文明やインカ帝国などの戦いを想うと胸が痛みました。
4日目朝はトレドからマドリードに戻りセゴビアに向かいました。
セゴビアも世界遺産に登録された古い要塞都市です。ここのお城はディズニーの「白雪姫」のモデルになったことでも有名です。お昼前に到着。街の真ん中に位置するインファンタイザベルホテルに荷物を預けて散策と昼食です。広場には市も出ていてにぎやかです。まるで宮崎アニメのハウルの動く城の街並みのシーンのようでした。
食事は連日イベリコ豚の生ハムとビールから始まってパエリヤとサラダ、いわしの酢漬けなどです。サンドイッチのようなものも美味しかったしイベリコ豚の生ハムは特に美味い!
昨日もレストランの外に出たテーブルで食事をしていたらアコーディオン弾きがやってきて演奏をしてくれました。
お昼は海鮮スープ、サラダ、パン、子豚の丸焼きした感じを小さく切ったものでした。何を食べても美味いです。
今日も一日セゴビアの街を周りましたが革靴で出かけたために足に豆ができてしまいました。まだバルセロナもあるので運動靴を買って履き替えです。
買い物途中でコップを並べて演奏するグラスハープのミュージシャンや親子のアコーデオン弾きに出会いました。曲はオーバーザレインボーなど繰り返し演奏していました。弾いていたアコーデオンはトレド、セゴビアでもホーナー社でした。
翌日はバルセロナです。朝6時おきしてセゴビアからマドリッドへ。
本当はマドリッドチャルマン駅からバレンシア経由でバルセロナに行く予定でしたが新幹線アラリスが満席で乗れず、急遽アベ・バルセロナ線にしました。それはマドリッドアトーチャ駅からの始発でしたので早めに出かけて例のピカソのゲルニカを観ることができました。
予定よりも早めにバルセロナに着いたので2日乗り降り自由チケットを買って早速地下鉄に乗ってリセウのホテルオリエンテで一休み。
夕方地下鉄に乗りガウディのグエル公園に行きました。丘の上まで歩くこと15分、さすがに足が疲れました。
ガウディの建造物は斬新でユーモアがありお茶目なところが好きです。グエル公園のトカゲのような噴水は観光客でいっぱいでした。公園の広場ではストリートバンドが陽気な曲を演奏していました。私もハーモニカをここで吹く予定でしたがあわててホテルに置いてきてしまいました。毎日吹いてるのですから旅行ぐらいお休みもいいでしょう。
次はサグラダファミリア、これも大きい。駅前にそびえ立つ塔の迫力に脱帽、目がなれてくると遊び心がいっぱい見えてきました。
ぐるット回って中に、まだ完成半ばですがエネルギーを感じます。
20時半からコルドベスというところで食事をしながらフラメンコを観ました。フラメンコはギタリスト2人、歌う人カンタ3人、踊り手女2人男2人、ピアノ1人で1時間半ぐらいの熱演でした。
50人ぐらい入る部屋でしたが席は1番前の真ん中。踊り子さんの汗が3回飛んできましたしスカートが回るたびに風がほほを叩くので臨場感たっぷり、本物のフラメンコショーを堪能しました。踊り手の表情でしびれ、ギターの弾きのテクニックでしびれ、歌のうまさにしびれ・・・。まるでファド。ファドで高田渡さんが「ポルトガルがいいよ」と言っていたことを思い出しました。終わった時間が11時、夜は治安が心配なので寄り道しないで50メートル離れたホテルに戻りました。
バルセロナの宿泊先のホテルの前の通りはランブラス通りと呼ばれ、大きな通りの両側に歩道と車道があり真ん中にも大きな歩道があり地下には地下鉄3号線が走っています。出店やストリートパフォーマーがたくさんいて賑やかです。人通りも多く人種もさまざまで現在のスペインのエネルギーが満ち満ちています。それまでは古都ばかり歩いていたのでそのギャップの大きさに驚きです。パトカー、救急車のサイレンが絶えません。近くの市場にも出かけて見ました。
いよいよスペインの旅行の最終日です。今回はバルセロナのスペイン広場から乗るカタルーニャ鉄道でモンセラットに出かけることにしました。
モンセラットはバルセロナの北西約50キロに位置する奇怪な岩山に囲まれた聖地です。山中の洞窟から聖母マリア像が発見されたということで有名で黒いマリアの像との出会いを今回の旅の最終地にしました。
旅行に出かける前、家の近所にあるスペイン料理のお店「フエルジナンド」のマスターが「バルセロナに行くなら是非出かけるといいですよ、黒いマリアには特別な力があり・・・」と言うお話をして頂き今回の最終地になりました。
また他の話でも古くからケルト民族の信仰の厚い場所で知る人ぞ知る聖地ということでした。
途中登山鉄道に乗り換えますが標高700メートルほどの山とは思えない美しさを持っていました。
聞きしに勝る奇岩に囲まれた聖堂の中を歩いて行くと黒いマリア様の前に出ます。写真もOKの庶民的な所もいいですしマリア様の手に触れることもできます。
最後に今回の旅でほしかったものも無事に手に入れて帰りました。
山から下りてバルセロナのホテルに戻る途中、階段を下りたら地下鉄で最後の車両の前でした。なんだかそこに乗りたくない気がしてその前の車両に乗ったら走った直後、最後の車両で喧嘩が始まりました。そして降りるとき音がしたので振り返ると、警官があわてて走ってきて前の車両のスリを取り押さえました。間が良かったのを感じた瞬間でした。
そんなバルセロナも最後の夜となりました。レストランでいつものイベリコ豚のハム、海鮮サラダ、海鮮パエリア、・・・後飲みすぎて何を食べたか忘れましたがいい旅行でした。
帰りの飛行機では好きな映画「アバター」を2回観ることもできて疲れを知らずに帰国しました。
時差ぼけでか?帰りの成田空港で携帯電話を紛失してしまいました。「携帯」の落し物を係りに確認しましたが見つからず帰りましたが日暮里駅に着いてもう一度空港に「カメラのような銀色の携帯ですが」と問い合わせましたら届いている事が判明、ふたたびスカイライナーで成田まで・・旅気分を2度味わうことができた素敵な旅でもありました。
来年はタンゴの故郷アルゼンチンとブラジル旅行を予定しています。それに向けてスペイン語も少しずつがんばります。
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